2012年10月2日火曜日

コスメと紅型のコラボ

久しぶりの更新です。
毎週のように台風がきては掃除で大変です。
昨日も一日掃除でした・・。

今日は、レキオボーテの「canann(カナン)」というコスメをご紹介したいと思います。
原材料は琉球列島で育まれた自然素材が生かされています。


沖縄の素材が使われていますが、これも使ってるの??と驚くような素材もあります。
ぜひ一度、レキオボーテさんのホームページをご覧下さい。↓
                http://www.lequio-b.com/

私は特に、シャンプーと洗顔(ミネラルクレイウォッシュ)が気に入ってます。
シャンプーは今まで使ってたものとは大違いで泡立ちもいいし、何より洗い流した時にコンディショナーをしたかのようにすべすべしてることが嬉しくて毎日愛用しています。
洗顔もつっぱらなくて、肌の弱い私には大変ありがたい。

染色においてもスキンケアにおいても天然のものが使えるって、嬉しいことです。
最後に、気づいていただけたでしょうか。canannのパッケージデザインが紅型の文様になっていることを・・・。ぜひ、レキオボーテさんのホームページにてじっくりご覧下さい。

2012年6月19日火曜日

中国へ調査に行ってきました!

6月6日から10日間の日程で浦添型のルーツを探りに中国へ行ってきました。先生は何度か中国へ行っていますが、私は初めてで驚かされることばかりでした。

もう中国はとにかく広い!人が多い!高速鉄道(日本でいう新幹線)を乗る時に駅に着いてても安心できないんです。
人が多くて乗り場まで行くのに時間がかかります。
しかも、出発の10分前か15分前になると駅のホームへ降りる通用口が閉まります。
そんなことなど全く知らず、閉まっている通用口を前にどれだけ慌てたことか(笑)

他にも、バス(一般の長距離バス←多分、普通の日本人は絶対に乗らないであろうバスです)に乗りましたが、チケットを購入し座席番号が書いてあったので、始発でよかったね~なんて言いながらターミナルの待合室で待っていました。
バスが来て、なぜか皆が急いでいるように見えたんです。
まさか~なんて言いながら乗り込むと、そう。座席番号は関係なかったんです!!!
日本人のありえないよね~は、中国では普通にありえるよね~ってことです(笑)

中国の食事はとても美味しくて最高でした。
中国では「デザート」というものはないらしく、果物もお団子もおかず?のように気にせず食べます。
食材も豊富だし地域によって伝統料理が違うし、外に食べに行っても安いし、注文したら3分くらいで出てくるし、スゴイ!
ただ、ビールが常温だったのは残念かな。。。
向こうは冷たいものはなかなか口にしないそうで・・・。お店でも冷たいものをと言わなければ常温のビールが当たり前に出てきます。冷たいといっても日本のようにギンギンに冷えたものはなく、
少し冷えてるかな?という程度です。体を冷やさないってところは健康的ですよね。



浦添型のルーツを探る調査では、いろんな収穫がありました。まだ皆さんにお知らせできませんが、これからそれをまとめなければなりません。

この調査で、中国に対する見方が多面的になれた気がします。
同じ技術者として友好的に情報を交換し交流をもてた人もいましたが、反日感情が尾をひいて、うまくコミュニケーションがとれずに終わる人もありました。
どちらにしても一つ言えることは、中国も日本も伝統工芸に於いて、現状や悩みは同じだということです。

それにしてもここへきて過去の戦争の問題が自分たちに関わってくるなんて、思ってもみませんでした。この地で何万人の中国人が命を落としたとか、日本軍がどこから攻め入ったとか。。。戦争のことに関わらず、中国の人は自分たちの歴史をよく勉強しています。
私たち日本人が見習わなければならない部分です。

中国での出来事は語りつくせないくらい、山のようにいろんなことがありました。いや、ありすぎました。
楽しいことばかりではなく苦い想いもしましたが、すべて自分たちを見直す機会として良かったと感じています。伝統を繋ぐという意味や意識の在り方など考えさせられることが多々ありました。
私はやっぱり、紅型やってて良かった。沖縄ってすごいところだとじみじみ実感しています。

今回通訳として同行してくれた、うちなー嫁(沖縄の嫁)で中国出身の安村さんには大変感謝しています。ありがとうございました。











2012年5月25日金曜日

去る5月19日(土)に、沖縄県立博物館・美術館にて 沖縄復帰40周年記念 「紅型 琉球王朝のいろとかたち」の関連事業で 「紅型からのメッセージを解く」と題して、シンポジウムが行われました。 日本の染織衣裳をご専門とされる、元東京国立博物館染織室長の長崎巌先生をお迎えし、 「紅型と日本の染織」というタイトルで基調講演がありました。 琉球の文様が少ないとされる紅型の文様は一体どこからきたのか・・・。 長崎先生は日本の紋織物からの可能性をお話しされました。 また、日本の公家と武家の文化やそこから生まれた能衣裳も関連付けてお話されるなど、 普段なかなか聞くことのできない講演でした。 その後、伊差川洋子染色工房主宰、古琉球紅型浦添型研究所会長であります、 伊差川先生から「浦添型復元から見えてきたこと」の発表がされました。
スライドを使って現在まで発見された浦添型裂地を見ていただき、 その特徴をお話されました。 浦添型制作の工程を(木綿栽培から始まり浦添型染色まで)簡単ではありましたが、 一般の皆さんに観ていただくことができてよかったと思います。 パネルディスカッションもとても充実した時間になりました。 私としては、先生の目指すところ、やろうとしていること、その動機が皆さんにご理解いただけたのではないかと感じています。 発表するのは先生なのですが、なぜだか見ているこちらも大変緊張しました。。。 シンポジウム終了後には、一般の方から 「紅型は絹に染めるものだと思ってました」とか 「沖縄に木綿って栽培されていたんですね」とか 「紅型のイメージが変わった」などなどお声かけいただきました。 今回の紅型展示やシンポジウムで、紅型について考えさせられた方は結構いらっしゃるのではないかと感じました。 紅型とは何か。。。。 県立芸大の名護准教授がお話された、「伝統とは精神的なものを継ぐこと・・・」ということが紅型を語る上で 欠かせないものとなってくるのだろうと感じました。 亜熱帯の気候と風土だけで生まれた染色ではないことを、私たちウチナーンチュはもっともっと興味をもって 知る必要があると思います。 紅型型紙を収集し、紅型三宗家から聞き取りを行い調査し、当時(大正15年)紅型について知りうる限りの情報を持ち合わせた鎌倉芳太郎が、 「紅型を継承するのは沖縄の人であり、それ以外のだれでもない。結局、私は本土からの旅人であり…云々」と述べていることからも、 ウチナーンチュの精神的要素が多く入っているものであることを再認識しました。 ウチナーンチュとして自覚し、また一層頑張らねば! お忙しい中、シンポジウムにご参加くださいました皆さま、ありがとうございました。

2012年4月12日木曜日

紅型展のお知らせです!

やっと暖かくなってきました。
今日の最高気温は24度で、今朝は心地よい風が吹いています。
例年に比べると涼しいのではないかと思います。
この時期、沖縄では先祖を供養する「清明祭(シーミー)」という行事が行われます。
お墓の掃除をして、重箱に食べ物を詰めておもちや果物を準備し、線香をあげて先祖へお供えします。
この時、男性陣はお墓にテントを立て、女性陣は台所でくわっちぃ(食べ物)を作るという仕事が毎年行われます。
先祖供養の一つではありますが、お墓でピクニックする感じで結構楽しいです。
お墓でピクニックと言っても本土の方からは、なかなか想像しにくいかもしれませんね。
沖縄のお墓は本土のお墓と違って敷地も大きいんです。なんせ清明祭にはみんなが座れる広さ必要ですから。
私も両親から聞いて驚いたのは、お墓を建てるために土地を買い、墓を建てて1000万するといいます。
うちのお墓は本島南部の具志頭というところにありますが、それでも1000万!!
すごいですよね・・・。でも、私は沖縄の先祖崇拝は大好きです。
いつでも故人を思い出し、その人の好物も忘れずを作りお供えする。その行為が先祖がそこに一緒にいる感じがしていいんです。

前おきが長くなりました。
さて、今月24日より沖縄県立博物館美術館にて紅型の催事がありますのでお知らせ致します。





沖縄復帰40周年記念 
「紅型 琉球王朝のいろとかたち」です。

廃藩置県後、多くの収集家や研究者たちによってコレクションされてきた紅型約100点が一堂に展示されます。
沖縄で古い紅型が、こんなにたくさん展示される機会は中国の北京故宮博物院所蔵の展示以来ではないでしょうか。
しかも献上品ではなく、この琉球で着用されていた紅型となれば見逃すことはできません。
会期は4月24日(火)~ 5月6日(日)です。会期中に2回展示替えをするそうです。

また、「紅型からのメッセージを解く」と題してシンポジウムがあります。
日 時:5月19日(土)13時~16時30分(開場12時30分)
会 場:3階講堂
参加費:無料(当日先着200名)

基調講演に長崎巌先生(共立女子大学教授)の「紅型と日本の染織」があります。
長崎先生のお話は本土で能装束や小袖の公演を聞いたことがありますが、とても楽しい先生です。
その長崎先生が紅型の事を交えてお話されるそうでとても楽しみです。
パネルディスカッションも行われますが、伊差川先生も参加します。
先生は紅型の祖形である浦添型の復元から見えてきたことをお話をされる予定です。
他にも県立芸術大学准教授の名護朝和先生や県立芸術大学付属研究所で、鎌倉芳太郎資料集の刊行に携わった平田美奈子さんも参加されます。
いろんなお話が伺えることを期待してます!

詳細は沖縄県立博物館美術館へお問い合わせ下さい。

2012年3月13日火曜日

第64回「沖展」開催

沖縄県内最大の美術・工芸公募展の「沖展」が今年も開催されます。
今年で64回目だそうです。
部門は、絵画・版画・彫刻・グラフィックデザイン・書芸
・工芸(陶芸・漆芸・染色・織物・ガラス・木工芸)に分かれています。

実は、私(仲本)は今回初めて沖展へ出品しました。
帯地です。辛うじて入選です・・・。
思うようなできではなく、反省ばかりが残ります。
そんな初出品ではありますが、大変贅沢な素材を使わせていただきました。
経緯ゆうなの繊維の手紬布です。
これは八重山の石垣昭子さんの素材です。
もともとが白生地というよりは、ほんのり黄色みがかった布です。
素材がこれだけいいと、合成染料を使うのは気が引けてしまい、
すべて天然染料での地染めを行いました。
今になって、未熟な私の染色ではもったいないことをしたと反省中です。
ただただ、石垣さんの素材を使わせていただいたことに感謝です。
もし沖展を観に行かれる方は、ぜひゆうなの素材をみていただければと思います。

会期: 2012年3月17日(土)~4月1日(日)
     午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)

会場: 浦添市民体育館
    (沖縄県浦添市仲間1-13-1)

入場料(前売り): 大人900円 小人(小中高生)400円 
          未就学児は無料  
                 ※当日券は各100円増し

また、沖展会員による作品の解説会(ギャラリートーク)もあります。
日程をお知らせいたします。

3月18日(日) 漆芸 午前11時 
        染色 午後2時

3月20日(火) 木工芸 午前11時
        ガラス 午後3時

3月22日(木) 絵画 午後2時

3月24日(土) 版画 午前11時
        写真 午後2時

3月25日(日) 陶芸 午前11時
       彫刻 午後1時
        グラフィックデザイン 午後1時
        織物 午後2時
        漆芸 午後2時

3月26日(月) 書芸 午後1時

3月27日(火) 絵画 午後2時

3月29日(木) 写真 午後2時  

※上記日程は、都合により変更・中止の場合があります。
 予めご了承ください。
(例えば、ギャラリーが集まらないとか、先生が来ないとか??だそうです)

何か批評がいただけるかもしれませんので、参加したいと思います。

2012年2月29日水曜日

デザインについて

今日はすっきりと晴れてとてもいい天気です。
4年に1回の2月29日。
素朴な疑問ですが、2月29日生まれの方はいつ誕生日を祝うのでしょうか・・・。
28日?3月1日?

今日は、紅型だけに限らないデザインの問題について、驚いたことが
あったので投稿しました。

先日、某ネットショッピングの紅型帯に貼られていた、びんがたと
書かれた証紙に、先生の代表的なデザインの一つである芭蕉の柄が
印刷されているではないですか!!
1993年の第5回個展で発表した、どこからどう見ても先生の作品です。
雑誌等にも掲載されていますから、きっとそこからコピーしたの
かと考えますが、放置しておくわけにはいかないので、その証紙に
書かれてある京都の業者さんへ連絡し、先生の作品であることを
お話しして外していただきました。
その業者さんの言い分では、
先生の作品であることは「知らなかった」ということです。

一業者で作成したびんがた証紙に、全く無関係な紅型作家の作品を
登用するということに悪気があったかなかったかは
分かりませんが、怖いなと思いました。

作品を制作する際に、デザインはとても重要なものになります。
例えば、何人かで同じモチーフをデッサンしたとしても、
デッサンしたものをそのまま使うのではなくデザイン化されるため、
個性が加わり出来上がりは十人十色です。
特に着物や帯の第一印象は、デザインで決まるように思います。
創作に力を入れている先生は、デザインには心血を注いでいます。
なので、あの証紙を見たときはすぐに、先生のデザインであることに気づきました。
最近では、創作柄を古典柄と勘違いし、模写して制作し
商品として出してしまうということもあるようです。
紅型を勉強されている方なら、古典柄かどうかは
ある程度の見分けがつくと思うのですが・・・。
紅型を制作しているけど紅型をよく知らないということなんでしょうね。
そもそも、それが本当に紅型かどうか・・・。
「紅型」という名前だけが一人歩きしている状態なんでしょうか。
「型絵染」にも「紅型」と表記されていたりしますからね・・・。
頭の痛い問題です。

今回はデザインが勝手に使われるなんて本当にあるんだ。と驚かされました。
まさか~って言いたいとこですが、残念ながらこれが現実なんです。

みんな気を付けないといけませんね。

2012年1月31日火曜日

藍印判のコレクションと夏紅型&大城廣四郎織物展



久しぶりの通常企画展です。

会期: 2012年3月22日(木)~ 3月31日(金)

時間: 10:00 ~ 18:30 

場所: びんくらふとギャラリー


みなさん、夏もきものを着ていらっしゃいますか?
「暑いからね~」と思われた方も多くいらっしゃるでしょう。
確かに、クーラーをかけて着付けをされる方がほとんどだと思います。
また、きもの着る時は気合入れてからじゃないとなかなか・・・
という声も多いですね。
確かに、私もきもの着る時は、数日前から何を着ようか、
どんな帯を合わせるか、帯揚は、帯締めは・・・とイメージして
テンションを上げ、気合を入れて、クーラーをかけています(笑)

しかし、昔の人はよく考えたもので、きものは脇が開いており、
着付けの際に襟を抜くことで、体内の熱を発散させることができます。
熱がこもらないよう考えた先人の知恵には感心するばかりです。

今回ご紹介する、大城廣四郎の夏織物(着尺)は縞や格子、
経緯絣に生絹のシャリ感が特徴です。
夏のきものとして、びんくらふとがオススメする大城廣四郎らしい
モダンな粋さを、お楽しみ下さい。
他にも絽や麻素材の夏紅型(訪問着・着尺・帯)、そして
明治から幕末にかけて入ってきたコバルトブルーの藍印判の
大皿や鉢のコレクションと共にご紹介したいと思います。

お問い合わせ先
  びんくらふとギャラリー&伊差川洋子染色工房
    098-856-0861


















幕末から明治に押し寄せたコバルトブルーの色彩に
沖縄の夏を重ねてみる。
大城広四郎の夏絣はモダンで実用性に富み、
その姿は一服の絵にもなる。
藍印判の鉢や皿のコレクションと共に
今年の夏を彩る絽や麻地のきものと帯をお楽しみ下さい。

2012年1月28日土曜日

今年も宜しくお願いします!

1月28日(土)今日は太陽が顔を出し、気持ちのいいお天気です。
2012年になり新たな気持ちでスタートしていますが、
いつもの事ながら、ブログの更新に時間がかかっています。
お恥ずかしい限りです・・・。

今日はブログ担当の私、仲本の私事を書かせて下さい。
実は、昨年11月に大好きな祖母が満98歳で亡くなりました。
祖母は私たち孫が小さいときにはよくセーターを編んでくれました。
ひ孫の男の子には晒しで肌着を縫ってくれたり、
女の子には、きものを縫ってくれたりと裁縫も上手、料理も上手、
お掃除もしっかりとすべてにおいてパーフェクトな人でした。
そして私がきものを着ると喜んでくれました。

その葬儀で私は初めて、喪服のきものを着ました。
結婚する際、母が買ってくれたきものです。
帯も帯締めも帯揚げも草履にバックまで一式揃えられていました。
きものには仲本の「陳」という家紋も入っています。
初めて喪服のきものに袖を通し、黒い帯を締め、私が感じたことは
私はやっぱりきもの文化が好きだということでした。
喪服のきものなんだけれども、すごく悲しい気持ちが穏やかになり、
きものが好きだった祖母のことや自分の家系、先祖の事、きものを着る意味など
いろいろと考える機会になりました。
きっと洋服では得られなかった大事な空間・時間だったと思います。
着物は洋服と違って、着付けが必要になりますが、その工程も含めて
やっぱりきものっていいものだと改めて感じました。
何より喪服用のきものを一式揃えてくれた母に感謝しています。
昔は嫁入り道具の一つだったと聞きますが、
現代にも残して繋げていきたい文化です。

そんなこともあって、今年はもっともっときものを着たい!!と思っています。
まずは、昨年お仕立てに出してまだ一度も袖を通していない、長嶺亨子さんの
首里織のきものを着ようと思っています。考えただけでワクワクします。。。

今年はしっかりとブログを更新できるよう努めますので、
伊差川工房&びんくらふとギャラリーをどうぞ宜しくお願いいたします。