2015年6月24日水曜日

びんくらふとギャラリー30周年を迎えてⅢ 

びんくらふとギャラリーこれまでの企画展をご紹介


 企画ギャラリーとして、国際通りに店舗を構えた10年間は、数多くのクラフトマンとクラフト品を紹介してきました。100回余もの企画を打ち立て、これまで多くの方々にご来場いただきましたことを感謝の気持ちでいっぱいです。 

 今回は、その国際通り店で企画した展示会を一部ではございますが、当時のDMで覧ください。


これまでの企画展 DM Ⅰ

これまでの企画展 DM Ⅱ

2015年6月17日水曜日

びんくらふとギャラリー30周年を迎えて Ⅱ  伊差川 新


伊差川 新 (Isagawa Shin)  1917-1989


昭和30年代の父 自宅のアトリエにて
 伊差川新は、大正6年(1917)那覇市に生まれる。少年期を沖縄の地で過ごす。 昭和16年に東京美術学校(現在の東京藝術大学)工芸学科漆部を卒業。同年の卒業作品 「蒔絵屏風 チーター」 は、大学買取作品となる。 その後、沖縄県工芸指導所漆芸 主任、沖縄県産業デザイン振興会 理事局長などを務める。
 その様な職務のかたわら、昭和31年には、琉球政府郵便切手類発行審議会委員となり、昭和48年沖縄が、本土復帰を果たすまでに数多くの琉球切手(約50種)のデザインを手掛けた。
  また、昭和38年以降は、フリーランスデザイナーとして活躍し、沖縄の商業デザイン界のパイオニアとして、リーダーシップをとってきた。
  代表的な商品デザインにオリオンビール、瓶の楕円ラベル(昭和34年~平成元年)や琉球煙草(5種) “うるま”や“Violet”、“Pink”などがある。その他、ロゴマーク、シンボルマーク、パッケージデザイン、インテリアデザイン、店舗設計、都市環境デザイン、アメリカ将校の墓のデザインを手掛けるなど、多岐に渡り沖縄の商業デザイン界を支えた。

 この度、80年前に東京藝術大学へ寄贈されました 伊差川 新の卒業作品 蒔絵屏風 「チーター」 の原画がみつかりました。 伊差川新も  “びんくらふとギャラリー30周年”  をお祝いしてくださっているかのように思います。
 尚、30周年を記念し毎年恒例12月の「市場展」にて、屏風「チーター」の原画を展示します。
 また琉球切手(おきなわ県立博物館蔵)の原画数点も現在調整中ではありますが、県立博物館から貸出許可がおりれば、同時に展示したいとおもっております。

― 経 歴 ―


大正 6年7月  那覇市出生
昭和 10年3月  沖縄県立第二中学校 卒業
昭和 16年3月  東京美術学校(現 東京藝術大学) 漆工部 卒業
    〃     理研電化工業株式会社 新竹工場 入社
昭和 18年    県立工業指導書 漆工 主任
    20年2月  宮崎木材航空株式会社 企画部 入社
    21年8月  沖縄へ帰還
昭和26年     合資会社国際構装社 設立
   31年     商業デザイン会社 自営
    〃     琉球政府郵便切手類発行審査委員
昭和38年     以後フリーデザイナーとなる
   42年     琉球大学美術工芸科 非常勤務講師
   46年     沖縄産業デザイン振興 事務局長
    〃     沖縄県特別国体実行委員 デザイン部長
   48年     沖縄県工芸振興センター 理事
   52年     沖縄文化財専門委員
   60年5月    びんくらふとギャラリー 開設
平成元年3月   国井喜太郎産業工芸賞 受賞
    〃 9月   没


伊差川 新の仕事


  伊差川新は、商業デザイナーのみならず、工芸研究家/漆芸研究家としても活動をしています。
特に力を入れていたのは、自身の専門でもあった「漆」でした。下記に伊差川新の筆記書を一部ではありますが、ご紹介致します。



― 工芸関連筆記一覧 ―

昭和39年 台湾の手工芸
昭和46年 漆器産業について 沖縄の将来を考える
   〃    沖縄からの漆工報告書(明漆ゼミナー)
昭和47年 琉球漆器の特色 (『流経文化』 琉球文化社)
   48年 沖縄工芸の現状と将来を考える (『琉球の文化』 琉球文化社)
   49年 沖縄の工芸運動 ―紅房漆器40年余の歩みを通じて―
   53年 伝統工芸品の量産とデザイン品質の問題点
   54年 琉球文化
   〃    岐路に立つ工芸産業 「伝産法と問題点」 (琉球新報社)
昭和55年 「ループタイ」開発のための実態調査報告書
   56年 これからの伝統工芸産業 (沖縄タイムス社)
   〃   琉球漆器の現状と将来 (琉球漆器振興シンポジュウム報告)
   〃   東南アジア美術工芸の旅 「タイと琉球漆器調査報告書」
昭和57年 これまでとこれからの平和通り 当時の看板とデザイン
   58年 「琉球漆器」 第一号 (琉球漆器研究) 
   
   




2015年6月16日火曜日

びんくらふとぎゃらりー30周年を迎えて 

 
 
 伊集の花が咲き誇る頃30 年前。 国際通りの一角に企画ギャラリーとして「びんくらふとギャラリー」は誕生致しました。
 
 皆さまに暖かく支えられて、今日を迎えられたことを心より感謝申し上げます。
 
 振り返るに「沖縄産業デザイン振興会」や「工芸振興センター」の理事を務めながら、「京都クラフト会議」に参画していた私の父、伊差川新の工芸に対する情熱と熱い想いを肌に感じ、父と共に全国のクラフトマンの仕事を紹介する空間として「びんくらふとギャラリー」は開設いたしました。
 
  「作り手から使い手へのメッセージ」をコンセプトに国際通りの10年間は、90回余の企画展を紹介してきました。展示内容は染織品を中心に木工、紙、彫金、ガラス、鉄器など、また、帽子のデザイン、布のアクセサリー、漆のアクセサリーなどは、多くの人達に楽しんで頂きました。  県外のクラフトマンとの文化交流は、作り手も使い手にも有意義なものでした。 
 新しい時代に向け、使い手の「喜び」「美しい」デザインを発信すべく努力をしてまいりました。
 
 1989年には「九州クラフトデザイン展」の受賞作品を展示、九州山口のクラフトマンの動向は、沖縄の工芸家に大きな刺激となり、ひとつのウェーブとなりました。また、同年、昭和初期に生駒弘(漆・紅房)と県外の美術家、デザイナーによる「モダンクラフト運動」に思想を求め、「沖縄工芸デザイン展」の公募作品を募り、一時代のエポックを迎えたものと思います。
 
 現在は、国際通りから豊見城の漫湖の見渡せる染色工房に拠点を移し、伊差川洋子の作品を中心に染織工芸文化の発信に微力ながら貢献したいと願っております。
 尚、別ページにて伊差川新の紹介をしますので、ご覧ください。
 
                平成27年6月 伊差川洋子
 
 
びんくらふとギャラリー ( 国際通り時代 ) 企画展の様子

 

2015年6月2日火曜日

30周年に向けて


梅雨の蒸し暑い日が続いています。

今年は空梅雨のようですが、湿度は92%あります。

防染糊の状態は悪くなく、丁度いい塩加減です。

朝はまだ涼しくて作業がしやすいので、午前中のうちに作業を進めていこうと思います(^_^)/~




ここでお知らせがあります。

びんくらふとギャラリーが今年で30周年を迎えました!

これまで支えて下さいました皆さまに感謝申し上げます。

今年は皆さまに楽しんでいただけるような企画を考えております。

決まりましたら、改めてお知らせ致します。